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Facebookとアイドルと。
「秋葉原事件 加藤智大の軌跡」(中島岳志著)を読んで思ったことです。
加藤智大がもがいていた時代に、これらがあれば違ったんじゃないか。加藤にとって救いになったのではないか。そう思いました。
加藤が親元を離れたのが2001年4月。事件を起こしたが2008年6月。
この7年間彼は転職を繰り返しながらも働き、また掲示板への投稿も続けてきました。全ては、「居場所」を作るため。それはとても不器用で、おそらく上手くいかないやり方ではあっただろうけれど。
居場所を作れず、追い詰められての凶行に走った加藤。
だからこそ、加藤の苦しんだ頃にFacebookがあれば、掲示板代わりの「逃げ場所」くらいにはなったのだろうと思います。加藤はmixiをやっていたようですが、mixiよりもリアル感があり、かつ利害の無い交流が出来るFacebookは、加藤にとってきっと魅力的な「逃げ場所」になったのでは無いでしょうか。
そしてもうひとつ、アイドル。AKBの握手会のような会いに行ける場も。本によると、オタク趣味で、ネットで知り合った女性に恋をし、メイド喫茶に行ったりもしていた加藤。女性に興味が無かったわけではなく、彼女が欲しいけど自信がなく上手くやれなかったのではないかと思います。そうした気持ちのやり場として、アイドルに会えるイベントは彼を満たしてくれたのではないでしょうか?
余談ですが実は、私藤田も何度か握手会に行ったことがあります。リサーチ感覚だったのですが、アイドルの真剣な姿勢や運営のホスピタリティなどとても心地よく、勉強になる場です。
また、ファン同士の交流も盛んなようで、それも加藤にとって理解してもらえる仲間を作るチャンスとなったはず。
本質的な事をいえば、どちらも逃げ場所にしかならず、加藤の望む居場所を作るには彼自身が変わる必要があったと思います。しかし、「逃げ場所」には、加藤を凶行から遠ざけ、彼に「居場所」を得る機会を与えるだけの意味はあった。私にはそう思えてなりません。