2015年2月27日金曜日

Facebookとアイドルと。秋葉原事件に思う。


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Facebookとアイドルと。

「秋葉原事件 加藤智大の軌跡」(中島岳志著)を読んで思ったことです。
加藤智大がもがいていた時代に、これらがあれば違ったんじゃないか。加藤にとって救いになったのではないか。そう思いました。

加藤が親元を離れたのが2001年4月。事件を起こしたが2008年6月。
この7年間彼は転職を繰り返しながらも働き、また掲示板への投稿も続けてきました。全ては、「居場所」を作るため。それはとても不器用で、おそらく上手くいかないやり方ではあっただろうけれど。

居場所を作れず、追い詰められての凶行に走った加藤。

だからこそ、加藤の苦しんだ頃にFacebookがあれば、掲示板代わりの「逃げ場所」くらいにはなったのだろうと思います。加藤はmixiをやっていたようですが、mixiよりもリアル感があり、かつ利害の無い交流が出来るFacebookは、加藤にとってきっと魅力的な「逃げ場所」になったのでは無いでしょうか。

そしてもうひとつ、アイドル。AKBの握手会のような会いに行ける場も。本によると、オタク趣味で、ネットで知り合った女性に恋をし、メイド喫茶に行ったりもしていた加藤。女性に興味が無かったわけではなく、彼女が欲しいけど自信がなく上手くやれなかったのではないかと思います。そうした気持ちのやり場として、アイドルに会えるイベントは彼を満たしてくれたのではないでしょうか?
余談ですが実は、私藤田も何度か握手会に行ったことがあります。リサーチ感覚だったのですが、アイドルの真剣な姿勢や運営のホスピタリティなどとても心地よく、勉強になる場です。
また、ファン同士の交流も盛んなようで、それも加藤にとって理解してもらえる仲間を作るチャンスとなったはず。



本質的な事をいえば、どちらも逃げ場所にしかならず、加藤の望む居場所を作るには彼自身が変わる必要があったと思います。しかし、「逃げ場所」には、加藤を凶行から遠ざけ、彼に「居場所」を得る機会を与えるだけの意味はあった。私にはそう思えてなりません。

2015年2月25日水曜日

秋葉原事件から学ぶべきこと


メンタルヘルス ブログランキングへ2015年2月18日。加藤智大被告の死刑が確定しました。

加藤智大。
2008年6月8日、トラックで歩行者天国へ突入しナイフで次々に人を刺した秋葉原事件の犯人。
悪いものは悪い。なので加藤を擁護するつもりは全く無い。しかし、加藤にも凶行に走る理由がある。その理由に目を向けることは、こうした事件の再発を防ぐ上で重要なはず。そう思い調べていくと、そこには精神異常者でも、心の弱い人間でもない、加藤の姿が見えてきました。


◆言葉に出来ない
加藤は、彼なりに一生懸命生きてきたのだと思います。親の常軌を逸した教育のせいで、「気持ちを言葉で伝える力」を身につけられなかった加藤。行動でしか示せない故に何度も仕事を辞めたけれど、本当は認められたかった、必要とされたかっただけだったのでは無いでしょうか。
意見が否定される。聞いてすらもらえない。それが原因でキレて暴れることもあったようですが、短期でワガママだったのではなく、意見の否定=存在の否定だったから。
殆ど誰でもが当たり前にしている「言葉で伝える」ことが加藤にも出来ていたら、職を転々とし、居場所を失い追い詰められることも無かったのではないかと思います。


◆抱えた矛盾
誰より自分が嫌いだから、誰かに認めて欲しくて。そのために頑張って仕事をし、友達も作れた。実際加藤はどの職場でも勤勉で認められ、友人もいたそうです。でも、誰より自分が嫌いだから、誰かに認められるのが怖くて、心を閉ざして。そんな矛盾を抱えたまま、気づけば居場所が無くなり疲れ果てて…。だからといって人を殺していいとは思いませんが、こうした苦しみを抱えている人は、加藤だけでなく沢山いるのでは無いでしょうか。
加藤に必要だったのは「そのままの自分を認めてあげる」「気持ちを言葉で伝える」の2つ。出来ない人にとって、どちらも容易なものではありません。でも、どうせ頑張るなら、自分を変えることに力を注いで欲しかった。頭も勤勉さもあった彼なら十分変われたと私は思います。

◆私たちはどうすべきか
加藤のように自分自身を愛せない、言葉で気持ちを伝えられない人は、おそらく身近なところにもいるはずです。実際カウンセリングでもこうした方は多いです。
私たちは、そうした人に対しどう接するべきか。私は、「気持ち」に目を向けることだと思います。表面的には理解出来ない言動も、それは自分にとって理解出来ないだけ。相手には、そうするだけの理由があるはず。相手は「何をどう考え」「どう感じた」のか。こうした意識を忘れず接することは、相手を否定せず、受け止めることに繋がります。粘り強く、見捨てず寄り添う。難しいですが常に忘れずいることが、こうした事件を二度と起こさないために出来ることなのではないでしょうか。

2015年2月20日金曜日

脱・草食系のために…セミナー開催決定!

こんばんは。DF心理相談所代表藤田です。

一昨日、あるコワーキングスペースの代表様から連絡をいただきました。
「恋愛系の心理学セミナーを開催していただきたいのですが…」

で、善は急げで早速今日、打ち合わせをしてきました。
「恋愛」というテーマで上がって来たワードが、『草食系』。
やはり今、パートナーは欲しいけど色々理由があって、なかなか積極的になれない人が多いです。実際、最近お会いするクライエントさんからもこの手の悩みは良く聞きます。

ということで、草食系の方対象の恋愛心理学セミナー、開催決定です。

恋愛の悩みといっても、常に相手がいる人となかなか積極的になれない人とでは中身が違うので、正直肉食系男子女子にはあまり意味がないと思います。
その分、草食系の方や、最近恋愛から離れてる方々にはズバリ効きます。

詳細は追ってまたお知らせしますが、3月末ですので是非お楽しみに!

それでは、今日は短いですがこの辺で。

2015年2月18日水曜日

増え続けるうつと、自助の精神


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こんにちは。藤田です。
今夜はスマイルズの名著「自助論」の読書会に参加してきます。
あ、この読書会は週一ペースで開催される予定なので、ご興味ある方は是非。

で、本題である「増え続けるうつ」について。
そう、「うつ」の方って増えているんです。メンタルヘルスの重要性が知られ、様々な対策がとられているにも関わらず。

その一因として、私はうつの若年齢化があると考えています。
10代20代でうつになり、学校に行けない、会社に行けないというクライエントさんは、実際多くお会いしますし、先日お会いした大学の教授も退学者数の増加を感じるとともに、その理由も昔「他にやりたいこと、楽しいことが出来たから」から今は「楽しめない、上手くやれなくて悩んで」という変化があると指摘されていました。

この根っこには、自助の精神の弱さがあるように感じています。

生きていればある程度の困難はつきもの。それに対し、「自分で何とかしよう」と行動する力が弱い人が増えている、ということです。なので、いい時はいいけど、何かあるとすぐストレスを感じてしまう。で、苦しくなってそこから逃げたくなる。

これまでの私の実感ですが、40代以上の方はこの「自助の力」が強く、一人で頑張りすぎてうつになる方が多く、逆に若いほどこの力が弱く、頑張れずに耐えるだけになってしまう傾向が強いです。

うつからの回復や、うつ人口の減少には、表面的な出来事や環境だけでなく、その方の「自助の力」はどうかにも目を向ける必要があるでしょう。

では、今日はこの辺で。

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2015年2月16日月曜日

専修大学付属高校の特別授業を見学して


メンタルヘルス ブログランキングへ おはようございます。藤田です。

先週土曜日は、杉並区にある専修大学付属高校の公開授業を見学させていただいてきました。「チーム作り講座」といって1.2年生の希望者対象に4月から週に一度やってこられた参加型授業です。
http://s-teamdesign.org/pages/top


◆プレゼン出来る高校生達
今回は春からの講座の集大成的位置付けだったそうで、「ラスボス」として杉並区で活躍している社会起業家山ノ内凛太郎さんが講師を担当。山ノ内さんが活動の中で抱えている悩みに対し、生徒が解決策を考えるという内容でした。

私が一番驚いたのは、最後のプレゼンでした。みんな、ちゃんとプレゼン出来るんです。講師は一回り以上歳上の起業家。さらに後ろには私を含めた知らない大人達、という環境で。各チーム、それぞれに問題点と解決案を発表していました。
同時に、大人の前にでるという緊張下でも一人ひとりがチームに貢献しようとしているのが印象的でした。代表して話す子、側にいて補足をする子、みんなで書いた模造紙を持つ子…。役割は違えど、みんな積極的にチームに関わろうとしている、そんな姿勢が見て取れました。何か出来ることを考え動く「主体性」という、強いチームに不可欠な武器を身
につけていると感じました。
後から聞いたのですが、生徒さん達は皆、講座がスタートした春は、待ってばかりの受け身の状態だったそうです。この成長こそ、生徒さん達が一生懸命取り組んできた証であり、また、チーム作り講座の価値なのでしょう。


◆チームは選べないとしたら
一方で、あくまで「社会に出る」という前提で見て、課題も2点感じました。
一つは、正解を求める傾向です。特に感じたのは、講師への質問の時。「3分間、なんでも自由に、質より量」と言われたにもかかわらず、各チーム質問が少ない。時間が余る。どこか、正しい質問、正しい答えが頭にあったのではと思いました。与えられた情報について考える力は持っている子達だけに、情報を引き出し、掘り下げる自由なコミュニケーション力の向上が課題に思います。この辺りは傾聴スキルを体に染み込ませるのがいいのかもしれません。
もう一つは、柔軟性。発言する子、聞いてる子、まとめる子…。各チームにそれぞれに役割をする子がいましたが、元々の性格的傾向でやっている印象を受けました。ですが、実際にはチームは選べないですよね。自分の性格がチームの強みになる。そんなチームばかりに居られる訳ではない。チームの仲間の個性に合わせて役割を変えながら、その中で自分の強みを発揮する。そうしたしなやかさもこれから身につけて欲しいと思いました。
そのために、多様な(特に自分の苦手だろう)人と接することや、カウンセリングなどで自分の心の問題をクリアにすることが意味を持つのではないかと思います。
因みにどちらの課題も、カウンセリングでお会いする若いクライエントさん達の課題でもあるので、世代的な特徴なのかもしれません。



◆賢さとたくましさと
賢さとたくましさ。人の土台になるのはどちらでしょうか?私は後者だと考えています。困難にも負けずに粘り強く挑戦する。失敗も糧にして立ち上がる。そうしたたくましさがあって初めて、賢さが輝く。しかし年々、このたくましさが育ちづらくなっているように思います。そしてこれは、年々増え続けるうつや不登校・ひきこもりと大きく関係しています。
受け身の子が主体性を身につけられるこのチーム作り講座は、知識やスキルの取得以上に、人のたくましさを育てる場として大変意義のあるものだと感じました。
こうした場がより多くの学生に与えられて欲しいと思うと同時に、私自身もカウンセラーとして若い世代が社会で輝いていけるためのサポートをしていきたいと思いました。
最後に、今回素敵な機会を下さった専修大学付属高校の杉山先生、生徒の皆さん、講師の山ノ内凛太郎さんに改めてお礼を。本当にありがとうございました。

2015年2月13日金曜日

「若者の絶食化」に潜むもの

先日、Yahooニュースで「若者の絶食化」という記事が出ていました。
これまでは、異性に興味はあるけど自らアプローチ出来ない『草食系』の増加が話題にはなっていましたが、最近では異性やセックスに興味すらない『絶食系』が出現してきているそうです。


その原因としてお金や仕事の疲労と共に挙げられていたのが、コミュニケーション。人間関係を築くのが面倒との声も多かったようです。


私も、コミュニケーションの問題は大きいと感じています。
実際、クライエントさんからこうした恋愛の相談を受けることも多いのですが、共通しているのは人間関係を作る力の弱さ。
実はそこに同性異性は関係なく、そもそも人付き合いが出来なかったり、人付き合いに多大なストレスを感じてるケースが殆ど。
当然、そんな大きなストレスは可能な限り避けたくなる。

なので、単純に異性への興味が無いというより、
「自分は人と関わるのが苦手だ」→「だから恋愛なんて大変に違いない」→「だったらそんなもの要らない」
という流れで結論として絶食系となるのではないかと思います。
裏をかえすと、もっと人付き合いが上手ければ、恋愛もしたい!という方は実は多いはず。


絶食系の、表面的な「面倒」「不要」といった言葉だけではなく、「自分は心地よい人付き合いが出来ない人」という思い込みに目を向けることが、絶食化問題を解決していく上で大切な意識だろうと思います。


では、今回はこの辺で。

2015年2月6日金曜日

対人ストレスは無くせるか?


メンタルヘルス ブログランキングへ はじめまして。DF心理相談所代表藤田大介です。

昨年4月にカウンセラーとして独立、主に人間関係で感じる不安やストレス、ゆとり世代の社会適応や、その育成指導などを専門にカウンセリングやセミナー、研修などを行っています。
独立以前は、カウンセリングスクールの講師や、電話研修、心理系NPOの副理事長、精神科クリニックでのカウンセリングなどをやってきました。(精神科は今も継続させてもらっていますが)
気づけば仕事にして今年で9年目。あっという間だったなぁ。

えーと、で、タイトルの「対人ストレスは無くせるか」ですが、

ズバリ、
無くせます。

もちろん、ストレス0というのはありえません。時には感じることもあります。
誰でもそれは同じです。
ですが、
人付き合いが不安になったり、それで疲れちゃったりというのは、無くせます。

そう断言出来るのは、私自身が克服したから。

実は、高校時代は3年間で友達0。
元々緊張しいであがり症だった上に中学時代にいじめられて話すのが怖くなり、
高校では誰とも話せず。部活にも馴染めずすぐに幽霊部員となり、授業が終わると帰宅し部屋にこもる毎日でした。正直、死のうと思ったのも一度や二度では無いです。
その後大学生になり、バイトは頑張りましたが会話は仕事上必要なことのみ。学校では相変わらず。
友達と遊んだり、恋愛したりしてる奴らを羨み妬ましく思うだけの冴えない青春時代。


そんな私ですが、今は夢を叶えて好きな仕事をしていますし、友達もたくさんいます。初対面ばかりの場でも緊張せず楽しんでますし。恋愛は…絶賛彼女募集中ですが笑

一朝一夕では変われません。
ですが、きちんとカウンセリングを継続して下さった方は、変わります。
実際、引きこもりや休職中だったクライエントさんも、見事に社会復帰を果たしています。

なので、人間関係でストレスを感じて苦しんでいる方は、諦めないで欲しい。
私にそのサポートをさせてください。

このブログでは、克服していくための私の考えなどをお伝えしていきますので、どうぞ宜しくお願いします。

それでは今回はこの辺で。